じゃん吉ブログ

ブログのタイトル変えました。家族の事や、ペットの猫の事、投資や趣味、時事ネタや日々思う事を書いています。

働き方の美学〜ブラック企業について本気出して考えてみた〜

どーも、じゃん吉です。

 

職場の先輩とよくおしゃべりをするんですけど、

その軽快なトークの最中、「ブラック企業」なんてテーマで喋っていまして。

昨今、度々ニュースを騒がせる「ブラック企業」。

賃金未払いや、サビ残の強要、

セクハラ、パワハラモラハラ

うつ病、自ら命を絶つ…

割と聞きます。

嫌な世の中になったもんだという諸兄の嘆きが今にも聞こえてきそうです。

 

さて、そんな話をパイセンと語らっておりましたが、

思った事は、

今時ブラックなんてちいとも珍しくない訳で。

 

なんなら私もブラック経験者ですわよパイセン!

(パイセン=先輩の業界っぽい言い方、いちいち説明しなくていいって?サーセン)

ただ、私の場合、「割と恵まれた」部類のブラックでしたが。

 

 

〜昔語り〜

高校卒業後、とある専門学校に進学しましたが、諸事情により中退、

ここで元祖ブラックの呼び声高い飲食業界へと迷い込みました。

飲食のブラックたる所以としては、とにかく拘束時間が長い!

ランチやってディナーやれば、9時〜0時の15時間拘束×だいたい週6日勤務。

土日に休める事なんて滅多にない、たまの休みは寝て終わる。(重労働ですから)

 

ちなみに私、ホールスタッフとして勤務してましたが、気付いたら

厨房責任者及びホール責任者及び経理担当という、とんでも役職与えられてました。

料理長辞めちゃって、ホールチーフも辞めちゃって、もう一人いた調理担当者も辞めちゃって、

結果そうなりますよねー、わかりましたやりますよやりゃーいーんでしょ!

とね。社畜ですわ。

それから半年程そのお店に勤めてましたが、訳あって退職、

その後、そのお店は潰れました。(潰れた理由は語らない)

 

得られたモノはめちゃめちゃ多かったです。

散々手を切りましたが、包丁スキルを手に入れました。

よそ見しながら玉ねぎを刻めるレベルです。なんなら目をつぶっても、かろうじて。

発注業務をやっていたので、モノのマネジメントというか、

考え方が分かるようになりました。ロスの出ない仕入れとかね。

もともと人見知りな性格でしたが、接客によって克服しました。

お酒が強くなりました。

夜更かししてまで遊べるようになりました。

金使いが荒くなりました。

後半の3つは余計なスキルです。

 

 

そのお店を辞めてから約1年後、そのお店で料理長だった先輩に誘われ、

その先輩が開いたお店で働く事になりました。

寿司屋です。回らない寿司屋です。

多くの事を学びました。

仕込み、魚のさばき方、シャリの切り方、厚焼き卵の焼き方、

天ぷら、焼き物、煮物、

海鮮の鮮度管理、

目利き(みたいなもの)

お酒が更に強くなりました、

夜通し遊び、一睡もせずに仕事ができるようになりました、

金使いが更に荒くなりました。

後半の3つはホント余計です。

 

ブラック自慢。↓

日によってまちまちでしたが、朝は8時頃から、

夜は日付変わって深夜3時とか、5時とかなってから解放される、位の

とんでも拘束されたりしました。

お客さんからお酒をいただいたり、お客さん馴染みのお店に

ご一緒させていただいたり、が主な理由です。

 

個人の体質によりますが、四六時中食品やら洗剤やらいじっていた為、

手が荒れました、あかぎれのひどいヤツ。

写真が残っておりますが、とても人様にはお見せできません、それくらい荒れた。

 

とりあえずストレスはハンパなく、この時パチンコを覚えました。

破産するほどのめり込んではいませんでしたが、

病んでたなあ…と、今では思います。

 

そのお店も、とある事情により辞めます。

その事情とは、実家の仕事を手伝う事。

 

私の実家、祖父の代より続く養豚農家で、父の代で法人化し、

中規模経営を行っております。

色々あり、経営が苦しくなり、

見捨てる事もできないなあ、と思い、

後継者として継ぐ決心をし、就農しました。

 

24歳、人生のターニングポイント、か?

 

 

とりあえずね、声を大にして言いたい。

ハンパねーブラックですよ、農業。

 

朝が早い。それでもウチはせいぜい7時頃からスタート。

他の農家さんは4時とか5時とかからスタート。

豚さんに朝ごはんを与え、生まれた子豚のチェックをし、小休止してから、掃除スタート。

みっちり時間をかけ、豚舎の隅々まで綺麗に洗浄、時々子豚のチェック、午前終了。

長めの昼休憩を取り、2時頃から仕事再開、掃除です。

きっちり隅々まで綺麗にし、時々子豚のチェック、夕方。

豚さんに夕ご飯を与え、また掃除、時々子豚のチェック。

早ければ夜7時、遅くても9時頃には仕事終了、風呂入って飯食って寝る。

これを毎日、365日。

たまに休みを取りますが、多分年間で10日くらい?

こればっかりは経験しないとわかりませんが、農業のブラックっぷりは病的。

キングオブブラック。むしろエンペラー。オンリーワン。

若い人が敬遠するのも無理はない、自分だって、実家じゃなければ

こんな選択はありえないです。

 

はいブラック自慢終了ー。

 

で、タイトルに戻りますが、ブラックだなんだー言ったって、

結局のところ、それを許容している人間だっていろんな考えのもと、

受け入れているんです。

私の場合は、飲食という仕事自体が、それなりに好きだった、

料理が好きだった、

農業という仕事は好きではないが、それが実家の仕事だった、

自分の将来の為、そこで働く事は必要な選択だった。

 

共通して、この2つの仕事は、私に大切なものをくれたと思う。

「食」の尊さ。

 

命を育みました。

文字通り、命を育てて送り出しました。

育てる術は、農家の仕事を通して教わりました。

命をいただく術を教わりました。

いただいた命を、自らだけでなく、近しい大事な人たちに、

届けるスキルを、料理を通して教わりました。

大事な、自分を構成する「芯」を手に入れられた私は、きっと「割と恵まれた」ブラック経験者。

 

結果として、私はそれを許容しました。

 

 

 

ただね、みんながみんな、こうではない事を知っている。

本当のヤバい状況に置かれた人達を、

リアル、ネットの世界、問わず見てきた。(つもり)

自分なんか、まだまだぬるま湯。

 

一言言えるのは、働くことに美学なり、哲学みたいなものを求めるのは、

多分違うと思う。

仕事なんて、所詮生きていく為の手段であって、目的でもなんでもない。

ただのプロセスです。

 

自分の働いている環境が、ブラックだと思うなら、そこから逃げればいい。

自分がなくなるより、はるかにマシ。

だから、私は農業から逃げました。

死ぬかもしれない、と、思ったから。

肉体的にも、精神的にも、そして、脳みそも。

 

一生農業でもいいかなとも思っていたが、

田舎は娯楽が少ない、そして、知識欲を満たせるものも圧倒的に少ない。

今後、家族を持って、子供を授かったとして、田舎には何もない。

私にとって、耐えられないと思った。

だから、農業から逃げた。

ただし、きっちり経営を立て直してからだ。

幸い、というか、頑張ったからなのだが、

父ひとり、食ってく分には持ち直した、

後は潰すなり、好きにして、と。

私は、そこで離農しました。

 

で、今に至る。

 

 

今の仕事は楽しいです。

程よいストレス、ブラックではない、(今のところ)、

学べる事はたくさんある、仕事からも、日々の生活からも。

 

生きるなんて、そんなんでいいんじゃないかなー。

 

 

目的も何もなく、ただいるだけのブラックなんて、

時間と自身の精神にとってただの邪魔な存在ですから、

すぐ逃げてー。

 

 ※農業もだが、豚マジ危険。

何度か「これ死ねる」思った。あいつらマジでヤバい。